虚無回廊 1〜3 (未完) 小松左京
AIはいつになったらAEになるのだろう?
本書も繰り返し読んでいます。
かれこれ20回くらいは・・・(2巻まで)。
残念なことに未完のまま、小松御大は虹の橋を渡られました。
最後まで読ませて欲しかったなぁ(><)
物語は[私]の死から始まります。
それも一人称で。
訝しみつつも読み進めていけば、「ははぁ、そういうことかな?」と想像はできるでしょう。
多分、あっています。
さて、冒頭のAI、は最近よく話題に上がる「人工知能」(Artificial Intelligence)。
では、AEとは?
「Artificial Existence」の略で人工実存と紹介されています。
(恐らくは作者の造語)
これだけではわかりにくいですね。
AIのようにヒトに作られながら、人と同じように考え、感じ、主体的に意思決定を行うことができる存在。
(怒りや悲しみといった感情は理解はするが持たされていない、という設定)
一言でいうなら機械の体に人と同じように魂や心が宿っているような存在。
本文から
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未知の、あるいは未経験の状況に対して、
その時の自分に所与のあらゆるものをあげて、
一つの判断を下し、行動を選択し、
はるかに高度な学習・自己改造・自己発展性を持ちます。
この能力を賦与することによって、AEは、"擬似人格"を持ちます。
人格という以上、それ自体が不可侵の、"高貴さ"をもっていますが、
こういうAEは、将来、人間にとってはじめての、
"人間的に信頼できる仲間・機械"になるでしょう・・・・・・。
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自由意志を持たせる以上、人間に反乱を起こす可能性もありますが、
その辺はうまいこと調整してあることになっています。
このまま現在のAIが果てしない進化を続けるうちに、ついにはAEが実現されてしまうかもしれませんね。
作品中ではこのAEが宇宙空間へ旅立ちます。
5.8光年の彼方に突如として現れた人工天体ともいうべき存在(SS、と命名されます)へ向かうために。
SS=Super Structureの略(もう一つあったんだけど忘れちゃった)
とても長い旅になるので(といっても到達するまでのことはあらかた省略されています)、
その間にAE自身が自分のシステムの中にサブAEというべきものを作り上げています。
そうこうするうちにSSにたどり着いてストーリーは急展開。友好的な、あるいは敵対的な他星知性体との遭遇、
SSから発せられた有意とみられる[星の卵]、
その一部を分析・解読を行う[モー]という存在、
SSとはなんなのか調べ続けている先行到着者たちとの連携会議・・・
と、この先がものすごく面白くなるぞ!
というところで途切れたままになってしまいました。
ぐぐぅ・・・
小松先生の手による続きを読みたかったよ(><)
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